土 ********** 霧霞立ち込めている 樹海の中で独り 光も届かない闇の中 あの子を探し続けた 濡れた頬 纏わり付いた 汗ばむ身体重く あの子を呼ぶ声も静寂が全て掻き消す 途切れた記憶 「神社」の裏で あの子の笑顔が霞んでいく 土の下で見つめるだけの あの子の瞳は動かない 「幼い」と解らないフリ あの子と僕の秘密 今では記憶には古過ぎて あの子は何処で泣いてる 蟲が鳴き騒ぐ夕暮れ 夜更けの如く暗く あの子の返答も ざわめきがそれを許さず 途切れた記憶 あの子の記憶 静かに微熱を帯びていく 善と悪を見分けられずに あの子を自分の物にした 閉ざした記憶 あの子に飽きて いつしか数年過ぎていて 記憶の奥 片隅に居た 愛しいあの子を求めてる 後、どれだけの樹の下を掘れば あの頃の君に逢えるの もう君に飽きることはないから 返事を返して 今でも僕は樹海の中で 別れた貴女を探してる 直に僕も貴女と同じ 世界へ旅立つ日は近く 途切れた記憶 閉ざした記憶 あの子の、君の、貴女の 途切れた記憶 閉ざした記憶 いつか重なるその日まで **********